03.29.11:25
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08.21.08:21
妖怪辞典
妖怪出没地別
完成:
- 海や川など水辺に現れる妖怪
- 山に現れる妖怪
- 田や野原、森に現れる妖怪
- 家に現れる妖怪
- 人里に現れる妖怪
- 外国に現れる妖怪
完成
妖怪出没地別
海や川など水辺に現れる妖怪:
山に現れる妖怪
妖怪辞典:
アシマガリ
狸の仕業という。正体を見せず、綿のようなものを往来の人の足にからみつけて、苦しめることがあるという。
アズキトキ
又小豆洗いとも。水のほとりで小豆を磨ぐような音がするといい、こういう名の化物がいて音をさせるとも言う。その場所は決まっていて、どこでも自由に出れるというわけではない。
アブラスマシ
肥後天草島の草隅越という山路では、こういう名の怪物が出る。ある時孫を連れた一人の婆様が、ここを通ってこの話を思い出し、ここには昔油瓶下げたのが出たそうだというと、「今もいるぞ」といって油すましが出てきたという。
アブラボウ
近江野州郡の欲賀という村では、春の末から夏にかけて夜分に出現する怪火を油坊という。その火の焔の中には多くの僧形を認めるといってこの名がある。昔比叡山の僧侶でと燈油料を盗んだ者の亡霊がこの火になったと伝えられる。
イゲボ
伊勢度会郡でいう鬼火。
イシナゲンジョ
肥前江ノ島でいう海姫、磯女などの同系らしい。五月靄の深い晩に漁をしていると、突然に岩が大きな音をして崩れ落ちるように聞こえる。次の日そこへ行って見ても、何の変わったこともないという。
イソナデ
磯撫。肥前松浦の沖には、北風が荒く吹く時、必ず磯撫という大きな鱶に似た魚が海上に出てきて暴れるという。この時其処に船が通りかかると、その魚が尾を以って船の上の人を海に引き入れて喰らうという。
イッタンモメン
そういう形の物が現れてひらひらとして夜間人を襲うと、大隈高山地方でいう
イネンビ
沖縄では亡霊を遺念と呼ぶ。大抵は定まった土地と結びつき、そう自由に遠くへは飛んで行けない。男女二つの例の火が、往々つれたって出てくるという。
オイガカリ
備後の比婆郡などでいう。歩いていると後ろから覆いかかって来る。
オイテケボリ
この堀で魚を釣るとよく釣れるが、帰るとなるとどこからともなく、置いてけ置いてけという声がする。魚を全部返すまでこの声が止まぬという。
オクリイタチ
伊豆北部でいうこと。夜間道行く人の跡について来るという。草履を投げてやればそれからはついて来るのを止めるともいう。
オクリイヌ
旅犬は群れをなして恐ろしく、送犬はそれを防衛してくれるというものと、転べば食おうと思ってついてくるというのとの中間に、幸いに転ばずに家まで帰り着くと、送ってもらったお礼に草鞋片足と握飯一つを投げて与えると、飯を食い草鞋を口にくわえて帰っていったという。
オクリスズメ
山路を夜行くとき、ちちちちと鳴いて後先を飛ぶ小鳥がある。これが鳴くと狼がついて来るという。又は送狼がついて来る知らせだという。
オサビ
筬火。日向の延岡附近の三角池に出る怪火。雨が出る日に出る。昔二人の女が筬を返せ返したで争いをして池に落ちて死んだ。それで今なお二つの火が現れて喧嘩をするのだと伝えている。
オッパショイシ
路傍の石が負うてくれといって負うたらだんだん重くなる怪。
オラビソウケ
肥前東松浦郡の山間でいう。山でこの怪物に遭い、おらびかけるとおらび返してくる。オラブとは大声で叫ぶことである。
カイフキボウ
備前和気郡の熊山古城址にいたというもの。声は法螺の貝を吹くようで在りかを知らず、その顔を見たものもいない。
カネノカミノヒ
伊予の怒和島で大晦日の夜更にでるという怪火。氏神様の後に提灯のような火が下がり、わめくような声を聴く者がある。老人はこれを歳徳神が来られるのだという。
カワツヅミ
信州の小谷地方では、川童は人を取る二日前に祭りをするのでその鼓の音が聴こえるという。それを川童の川鼓といって大いに怖れる。
キカ
薩摩の下甑島でいう怪火。大きな火の玉の細かく分かれるものという。
キシンボウ
肥後では椿の木を擂木に用いると、後に木心坊になるという。
キツネタイマツ
狐火と同じものらしい。羽後の梨木羽場という村では、何か村内に好いことのある際には、その前兆として現れたという。
クビナシウマ
越前、壱岐島、四国などで伝えられる。首のない馬の妖怪。四国などでは首の方ばかり飛び回るという話もある。
ケチビ
土佐に出る怪火。大抵は人の怨霊の化するものと解される。
コクウダイコ
周防の大畠の瀬戸で旧六月の頃に、どことも知れず太鼓の音が聴こえる。軽わざ師の一行がここで難船して死んでからという。
コソコソイワ
備前御津郡円城村にこの岩の名前がある。幅五尺ほど、夜分その側を通るとこそこそと物いうおとがする。
ゴッタイビ
阿山郡でいう鬼火のこと
コナキジジ
阿波の山分の村々で、山奥にいるという怪。形は爺だというが赤子の啼声をする。あるいは赤子の形に化けて山中で啼いているというのはこしらえ話らしい。人が哀れんで抱き上げると俄かに重く離そうとしてもしがみついて離れず、しまいにはその人の命を取る。
コワイ
狐者異。「怖い」という言葉の語源はこの妖怪だという。高慢強情で生きている間は法を無視して人のものを勝手に食い、死んだ後は妄念執着の思いで仏法世法の妨げになるという。
ゴンゴロウビ
越後本成寺村では、五十野の権五郎という博徒が、殺された遺念といってこの名の火の燃える場処がある。今では雨の兆とされ、火を見ると稲架を取込むという。
サガリ
道の傍の古い榎樹から、馬の首がぶら下がるという怪。
シオノチョウジ
塩の長司。加賀の国は小塩の浦に住む長者の長司は三百頭の馬を飼っていた。長司は悪食で飼い馬が死ぬとそれを塩や味噌で漬けて食した。ある日、貯め て置いた馬漬けがなくなってしまったので長司は老馬を殺してそれを食べてしまった。するとその夜から夢の中にその老馬が現れ長司の喉に食いついた。それ以 来、馬を殺した時間になると老馬の霊がやってきて長司の口の中に入っては長司の腹を痛めつけては出て行くようになった。その後いろいろな医療を試したが効 かず、毎日悪言ばかり吐いていた。そして百日程経ったある日、長司は馬が重荷を背負うような格好をしながら死んでいったという。
シズカモチ
下野益子辺でいう。夜中にこつこつと、遠方で餅の粉をはたくような音が聞こえる。その音がだんだん近づくのを「搗き込まれる」といい運が良くなり、遠ざかることを「搗きだされる」といい運が衰えるという。
シダイダカ
長門の各郡でいう。人間の形をしていて高いと思えばだんだん高くなり、見下ろしてやると低くなるという。
シニガミ
死神。人を死に導く神。悪念を持ったまま死んだ者の気がなるといい、その者の死んだ場所は更に死者が出るという。
シバガキ
夜分に路傍で石を投げる怪物だという。シバは多分短い草の生えた処のことで、そこを引っ掻く音をさせるのであろう。
シャクイワ
作州箱村の箱神社の近傍にある岩。夜間人が通ると味噌をくれといって杓子を突き出したのでこの名がついたという。
ジャンジャンビ
奈良県中部でいう怪火。飛ぶときにジャンジャンと音がするのでこの名がついたという。火は二つで、二つはいつまでも逢うことができぬという。
シロボウズ
泉州では夜分路の上でこの怪に会うという畏怖が今もまだ残ってる。狸の化けた物のようにいうが無論確かな話ではない。
スオウノオオガマ
周防の大蝦蟇。周防の国岩国山の奥深くに住んでいる八尺ほどの大きさの蝦蟇。日頃は虚空を向いているが、たまに口を開けて虹のような気をはく時があり、この気に触れた動物は皆この蝦蟇の口のなかに入りそれを栄養分としている。夏には蛇を喰らうという。
スナカケババ
奈良県では処々でいう。お社の寂しい森の陰などを通ると砂をばらばらと振りかけて嚇す。姿を見たものはいないという。
スナマキダヌキ
砂撒狸は佐渡のものが著名であるが、越後にも津軽にも又備中阿哲郡にも、砂まきという怪物がいるといい越後のは狸とも又鼬の所属ともいう。
スネコスリ
犬の形をして、雨の降る晩に、道行人の足の間をこすって通るという怪物。
センダクキツネ
洗濯狐。夜になると水の岸に出て、ざぶざぶ物をと洗う音をさせる怪。遠州西部で言う
埼玉県西部では袖引き小僧の怪を説く村が多い。時は夕方路を通ると後から袖を引く者がある。驚いて振り向くと誰もいない。あるき出すとまた引かれる。
ソラキガエシ
天狗倒しのことを福島県の田村郡、又会津でもそういっている。
ソロバンボウズ
路ばたの木の下などにいて、算盤をはじく音をさせる怪
タカボウズ
讃岐の木田郡などでいう。背の途方もなく高い坊主で、道の四辻にいるという。
タクラウビ
備後御調郡の海上に現れる怪火。二つの火の玉だという。
タケキリタヌキ
竹刈狸。夜分竹を伐る音がする。ちょんちょんと小枝を払う音、やがて株を挽き切ってってざざと倒れる音がする。翌朝行っても何事もない。
タタミタタキ
夜中に畳をたたくような音を立てる妖怪。土佐ではこれを狸の仕業としている。
バタバタ、バタバタ石とも。
タヌキバヤシ
狸囃子。深夜にどことなく太鼓が聞こえて来るもの。東京では番町の七不思議の一つに数える。
タンタンコロリン
仙台で、古い柿木が化けた大入道だという。柿の実を取らずに置くとこれになったともいう。
ツトヘビ
三河の山村でいう。槌の形又は「つと」の形をしていて、非常に毒を持ち、咬まれると命が危ないと怖れられていた。
ツチコロビ
野槌ともいう。丈の至って短い槌のような形をした蛇で、道の上を転がってきて通行人を襲うと伝えられる。中部地方の峠道に多かったという。
ツルベオトシ
木の上から出し抜けに下がってくる怪。あるいは大きな杉に鬼が住んでいて、下を人が通ると金の釣瓶ですくい上げたともいう。
テングナメシ
普通には天狗倒しというが陸中上閉伊郡などは天狗ねめし、なめしの語の意味は不明である。木を伐る斧の音、木の倒れる葉風の感じなどもあって、翌朝その場を見ると一本も倒れた木がない。
テンコロコロガシ
備前邑久郡のある地に出るという怪物。夜分ここを通るとテンコロが転がってくるという。テンコロとは砧すなわち衣打ち台のことである。
テンピ
天火。大きさは提灯ほどで人玉のように尾を曳かない。それが屋の上に落ちてくると火事を起こすと肥後の玉名郡ではいい、肥前東松浦の山村では、家に入ると病人が出るといって、鉦をたたいて追い出した。あるいは単に天気がよくなるとも言う。
トウジ
土佐では暴風雨中に起こる怪火をトウジという。
トビモノ
中世の頃怪火のことを光り物といった。茨城県の北部では蒟蒻玉が飛びものになって光を放って飛ぶことがあるという。
ニュウドウボウズ
見こし入道のこと。三河の作手村でかつてこれを見たという話がある。始めは三尺足らずの小坊主、近づくにつれて七八尺一丈にもなる。先ずこちらから見ていたとぞと声を掛ければよし、向こうからいわれると死ぬという。
筑前遠賀郡の海岸でいう。夜道をあるいていると急に行く先が壁になり、どこへも行けぬことになる。それを塗り壁といって恐れられている。棒を以て下を払うと消えるが、上の方をたたいてもどうにもならないという。
ネブトリ
寝肥。寝惚堕という名前の病気で普段は普通の女だが、寝るとぶくぶくに太り大鼾をかくようになるという。また寝相の悪い女も変化だといい、奥州では寝相の悪い女の事も寝肥という。
ノジュクビ
野宿火。田舎道や山中で見ると言う。人がいないところにほとほとと燃え上がっては消え、消えては燃え上がる怪火だという。
ノビアガリ
伸び上がり、見るほど高くなって行く。川獺が化けるのだという。地上一尺ぐらいの処を蹴るとよいといい、又目をそらすと見えなくなるという。
ノブスマ
土佐の幡多郡でいう。前面に壁のように立ち塞がり、上下左右ともに果がない。腰を下して煙草をのんでいると消えるという。
ノリコシ
影法師のようなもので、最初は目の前に小さな坊主頭で現れるが、はっきりせぬくのでよく見ようとすると、そのたびにめきめきと大きくなり、屋根を乗り越していったという。
ハクゾウズ
白蔵主。昔、甲斐の国の夢山に弥作という狐を捕る狩人が住んでいた。夢山には多くの狐が住んでおり、減少して残った狐は弥作の伯父である宝塔寺の法 師に化け弥作に「殺生の罪は来世の障りとなるゆえ、狐を捕る事を止めよ」と言って銭壱貫目を与えて、狐釣りの罠を持ち帰った。弥作は生業が成り立たないの で白蔵主にもう一度銭を貰おうと寺に向った。狐はそれを察知し白蔵主を喰い殺してしまった。それからというものの狐は白蔵主に化け五十年を過ぎた。そんな ある日、白蔵主に化けた狐は同国の倍見の牧で催された鹿狩りを見に行ってそこにいた佐原藤九郎の飼っていた鬼武・鬼次という二匹の犬に喰い殺され、遂に正 体を顕してしまった。それを見た人々は祟りを恐れて祠を建てて祀った。今でもそれは「狐の杜」と呼ばれているという。
ビシャガツク
越前坂井郡では冬のの霙雪の降る夜道ををいくと、背後からびしゃびしゃと足音が聞こえてくる。それをビシャがつくという。
ヒトリマ
火取魔。提灯の火が細くなる時はこの怪物仕業だという。
ヒノエンマ
飛縁魔。美しい女の妖怪でこれに魅入られると財産や身の腎精浄血を吸い取られ命を失ってしまうと言う。所謂悪女と呼ばれる物だろうか。女犯の戒めから来た妖怪なのだろう。化け粧う女に気をつけろということだ。
ヒヲカセ
三河の北設楽郡出たという。昔鬼久左という大力の男が夜路を行くと、先へ行くおかっぱの女の童が振り返って火を貸せといった。煙管を揮って打ち据えようとして返って自分が気絶してしまった。淵の神の子だろうという。
フクロサゲ
信州大町の付近には、昔狸が出て白い袋を下げたので。袋下げといっていた処がある。
フルソマ
土佐長岡郡の山中で、古そまというのは伐木に打たれて死んだ者の霊だという。深山で日中もこの声を聴くことがある。始めに「行くぞう行くぞう」と呼ぶ声が山に鳴り渡り、やがてバリバリと樹の折れる響。ざアんどオンと大木の倒れる音がする。行って見れば何の事もない。
大和の宇陀郡で、独り道を行くとき、ふと後から誰かがつけて来るような足音を覚えることがある。そのときは道の片脇へよって 「ベトベトさん さきへおこし」というといなくなるという。
ボウズビ
加賀の島越村でいう怪火。昔油を売る人が悪巧みをして鬢附けを桝の隅に塗って桝目を盗んだ。その罰で死んでからこの火になったという。
ミアゲニュウドウ
佐渡でいう。夜中に小坂路を登って行く時に出る。始めは小坊主のような形で行く手に立ち塞がり、おやと思って見上げると高くなり、後には後ろへ仰け で倒れるという。これに気付いた時は 「見こし入道 見こした」 という呪文を唱え、前に打ちふせば消え去るといい伝えている。
ミノムシ
越後でい小雨の降る晩などに火が現れて蓑の端にくっつき、払えば払うほど全身を包む。ただし熱くはない。
ムカエイヌ
信州下伊那郡でいう。送り犬のように跡からついて来るのではなく、深夜山中で人の来るのを待ち受け、人が通り過ぎるとその頭上を飛び越えて、又前に回るという。
ヤカンザカ
東京の近くに、薬缶坂という気味の悪い所があった。夜分独り通ると薬缶が転がりだすといった。
ヤカンヅル
夜遅く森の中を通ると木の上から薬缶が下がるといっている。
ヤギョウサン
阿波でいう鬼。節分の晩に来る髭の生えた一つ目の鬼。以前は節分・大晦日・庚申の夜の外に、夜行日という日があって夜行さんが、首の切れた馬に乗って道路を徘徊した。これに出逢うと投げられ又は蹴り殺される。草鞋を頭に載せて地に伏していればよいといった。
ヤマノコゾウ
伊豆加茂郡では山彦のことを山の小僧という。
ヤマバヤシ
山中で深夜どこともなく神楽の囃子がすることがある。遠州阿多古ではこれを山ばやしといい、狸のわざとしている。
ヨコヅチヘビ
越後南蒲原郡の或堤防の上の道にでた。頭も尾も一様の太さで、ぴょんぴょんと跳ねて動いた云々。
ヨブコ
鳥取県では山彦すなわち反響を呼子又は呼子鳥という。
ワタリビシャク
丹波の知井の山村で言う。蒼白い柄杓形のものでふわふわ飛ぶという。
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